「レンタルフレンドを趣味の付き添いに使える」と聞いて、なんとなく理解はした。
でも、実際にボドゲ会やボドゲカフェに一緒に行ってもらったら、何がどう変わるのか。そこがまだ見えない。
そう思っている方に、今回はできるだけ具体的に書いてみます。
「こうなりますよ」と断言するのは難しいけれど、「こういう場面で、こういうふうに変わります」というイメージは伝えられると思います。
想像できると、少しだけ動きやすくなるので。
「一人で行く」と「隣に誰かがいる」の差は、思っている以上に大きい
ボドゲカフェでもボードゲーム会でも、一人で行くことが不可能なわけではありません。
実際、一人参加の人はたくさんいます。
でも、「一人でも行ける」ことと「一人で行っても平気」は別です。
ボードゲーム会に一人で参加するのが不安だった方の記事にも書きましたが、不安の正体は「行ってみたら何が起きるかわからない」ことにあります。
知らない人に囲まれて、知らないゲームのルールを覚えなくてはいけなくて、話しかけるタイミングもわからない。その状態で3時間近く過ごすのは、内向的な人間にはなかなかの負荷です。
隣に一人、知っている人がいるだけで、この負荷が変わります。
では、どう変わるのか。ボドゲカフェに行くケースと、ボードゲーム会に参加するケースに分けて書きます。
ボドゲカフェの場合
ボドゲカフェには「相席システム」のある店が多いです。
スタッフがマッチングしてくれて、知らない人同士でテーブルを囲む仕組みです。
これ自体はよくできたシステムなのですが、初回から相席に入るのは、やっぱりハードルが高い。
何を話せばいいのかわからないし、ゲーム中に「えっと、これどうすればいいんでしたっけ」と聞くのも気が引ける。
付き添いの人がいると、まず「二人で遊ぶ」という選択肢ができます。
相席に入らず、2人用のゲームで過ごすこともできる。初めてのカフェで、いきなり4人卓に入る必要がないんです。
もし相席に入ることになっても、隣に知っている人がいれば「今のルール、合ってたかな?」と小声で確認できる。これだけで、だいぶ楽になります。
ボードゲーム会の場合
ボードゲーム会は、個人やコミュニティが主催するイベントです。公民館や貸会議室で開催されることが多くて、参加者は5人から30人くらい。
一人で入ると、まず受付で名前を書いて、そのあと空いている卓に案内される。知り合いゼロの状態で席につく。ここが一番きつい。
付き添いがいれば、会場に着く前から隣にいてくれます。受付も一緒、テーブルにつくのも一緒。「はじめまして」のあいさつも、一人で切り出すのと、二人で挨拶するのでは気持ちの重さが全然違います。
ゲーム中も、わからないことがあったときに「ねえ、これどういう意味?」と聞ける相手がいる。そのやりとり自体がゲームの一部になるので、不自然にはなりません。
ちょっと話がそれますが、ボードゲームには「協力型」というジャンルがあって、プレイヤー同士が敵ではなく味方になるゲームがあります。
こういうゲームだと、初対面でも自然と会話が生まれるので、初回のテーブルでは協力型を選ぶと良いかもしれません。
付き添いの人がボドゲに詳しければ、そういう提案もしてくれます。
「いてくれるだけでいい」は大げさじゃない
ここまで読んで、「隣にいるだけで本当にそんなに変わる?」と思うかもしれません。
正直に言うと、全員に当てはまるかはわかりません。
一人で行ったほうが気楽だったという方もいるかもしれない。
でも、私が運営をしてきて感じているのは、「最初の1回」が一番重いということです。
初めての場所、初めての人、初めてのルール。全部が初めてのとき、人は「失敗するかもしれない」と感じます。
で、その不安が一定の閾値を超えると、動けなくなる。
調べるだけ調べて、結局行かない。そういう方を何人も見てきました。
付き添いの人がやるのは、その閾値を下げることです。説明も、会話も、場の空気の読み方も、横にいる人が少しだけ引き受けてくれる。
あなたは「ゲームを楽しむこと」だけに集中すればいい。
フレンド「いと」の場合
当店「ふたりしずかに」には、ボードゲームを趣味とするフレンドがいます。
いとは25歳、精神科の看護師として約4年間勤務してきたフレンドです。活動エリアは神奈川と東京。これまでに遊んだボードゲームが500種類以上で、テラフォーミングマーズやカタンといった重量級から、パーティーゲームまで幅広く遊びます。
ボドゲカフェに行き慣れている人なので、「このカフェは初心者に優しい」「このゲームは2人でも楽しめる」といった情報を持っています。
精神科の看護師という仕事柄、会話を無理に引き出すことはしません。ゲーム中に黙っていても、それを気にしない。あなたのペースでゲームに向き合える環境をつくってくれるフレンドです。
ボードゲームの付き添いを考えている方には、いとを推薦することが多いです。
ただ、ボドゲに詳しくなくても対応できるフレンドはいるので、気になった方はフレンド一覧を見てみてください。
迷ったら運営に相談してもらえれば、あなたの雰囲気に合いそうな人を正直にお伝えできると思います。
料金のイメージ
ボドゲカフェに行くなら、90分か120分コースがちょうどいい。料金システムに詳細がありますが、ここにも簡単に書いておきます。
対面コースの料金は、60分で3,000円、90分で4,300円、120分で5,500円。これに、フレンドの往復交通費と、カフェの利用料が別途かかります。
たとえば都内のボドゲカフェで120分過ごした場合、対面コース5,500円+交通費1,000円前後+カフェ利用料1,500円程度で、合計8,000円くらいが目安です。
高いと感じるかもしれません。それは正直な感覚だと思います。
ただ、「一人では行けなかった場所に行ける」「次から一人で行ける自信がつく」ことの価値を、金額で測るのは難しい。ここは、あなた自身に判断を預けます。
ちなみに、通話コースは15分500円(初回限定・1回限り)からあります。
いきなり対面で付き添いを頼むのが不安なら、まず電話でフレンドと話してみてから決めるのもひとつの手です。
その1回が終わったあとのこと
私が本当に伝えたいのは、ここからです。
付き添いでボドゲ会に行って、ゲームを何個か遊んで、帰ってくる。その体験が終わったあと、何が残るか。
人によって違いますが、こういうことが起きます。
まず、「行けた」という事実が残る。ボドゲカフェに入って、ゲームを遊んで、帰ってきた。
それだけのことですが、「一人では踏み出せなかった場所に行けた」という経験は、思った以上に自分の中に残ります。
それから、場所に対する恐怖が減る。「あのカフェ、こういう感じだったな」「スタッフがルール説明してくれるんだったな」という記憶があれば、次に行くときのハードルが下がる。
書きながら思ったんですが、これはボドゲに限った話じゃないかもしれません。一人で映画館に行けない人が、誰かと一緒に行ったら次から一人で行けるようになった、みたいな話と似ている。
最初の1回は「知っている人に付き添ってもらう」ことで越える。2回目からは一人でいい。
当店の使い方としても、それが健全だと思っています。ずっとフレンドと一緒にボドゲ会に通い続けるのではなく、最初の1回か2回だけ利用して、あとは自分のペースで通うようになる。そういう使い方を、私は想定しています。
もちろん、「毎回フレンドと一緒に行きたい」という方がいてもいいです。それを否定する気はありません。ただ、私としては「最初の壁を越えるためのサービス」として使ってもらえたら、一番うれしい。
ボドゲカフェに通ううちに、顔見知りができることもあります。
そこから仲間ができることもある。ボドゲ仲間の探し方を比較した記事にも書きましたが、「仲間探し」は、まず場所に行くことから始まります。
場所に行くための一歩を、当店が手伝える。その程度のことです。でも、その程度のことが、意外と大きい。
次の記事では、ボドゲゴーやジモティーなど、他の仲間探しの方法とレンタルフレンドを正直に比較してみます。
どの方法にも一長一短があるので、あなたに合うやり方を見つける材料にしてもらえたら。


