頭ではわかってるでも手が動かない | 発達特性グレーの私の毎日

頭ではわかってるでも手が動かない | 発達特性グレーの私の毎日

頭ではわかっている。やるべきことも見えている。

なのに、手が動かない。

朝のアラームを止めて、次に気づくと2時間経っている。洗い物をしようと立ち上がったのに、気がつくとスマホを触っている。買い物リストは作った。でもスーパーに行けないまま3日が過ぎた。

「なんで私だけ、こんな簡単なことができないんだろう」

その問いを、もう何百回繰り返したかわかりません。

この記事は、発達特性のグレーゾーンにいる女性の「生活の詰まり」について書いたものです。

ただし医療的な解説をしたいわけではありません。あなたの毎日に起きている「うまくいかなさ」に、もう少しだけ具体的な輪郭を与えたくて書いています。

目次

「みんな普通にやれていること」が、なぜこんなに重いのか

発達特性のグレーゾーンにいる女性の生活には、外から見えにくい「詰まり」がたくさんあります。

診断がつくわけではない。けれど、明らかに何かが引っかかっている。仕事のマルチタスクが極端に苦手だったり、音や光に敏感すぎて夕方にはぐったりしていたり、先延ばしが止められなくて自分を責め続けたり。

周囲には「ちょっと不器用な人」くらいに見えているかもしれません。でも本人の中では、毎日が綱渡りです。

やるべきことはわかっている。順番も見えている。でも、そのとおりに体が動いてくれない。

この感覚を、誰かにうまく説明できた経験がある人は少ないのではないでしょうか。話そうとすると、「ちょっとだるくて」「最近なんかうまくいかなくて」くらいの言葉にしかならない。でも実際に起きていることは、もっとずっと具体的で、もっとずっと細かいところで引っかかっているんです。

診断がつかない、という宙ぶらりん

病院に行ってみた人もいると思います。あるいは、行こうかどうか迷い続けている人も。

発達特性のグレーゾーンという場所は、どこにも着地できない浮遊感のようなものがあります。「発達障害です」と言われれば、支援につながる道がある。「異常ありません」と言われれば、じゃあなぜこんなに苦しいのか、ますますわからなくなる。

どちらにも当てはまらない。でも確実に、生活のどこかが詰まっている。

ある方が話してくれたことがあります。「診断がつかなかったとき、ほっとしたのと同時に、”じゃあこの大変さはなんなの”って、余計にわからなくなった」と。

この宙ぶらりんな感じは、本人にしかわからない重さがあります。名前がつけば対処のしようがある。でも名前がつかないと、「自分がおかしいのかもしれない」「頑張りが足りないだけかもしれない」という思考のループに入ってしまう。

私はこの話を聞いて、当店のサービスが届くべき人は、ここにいるのだと思いました。病院でも友達でもなく、「生活のどこが詰まっているか」を一緒に見てくれる場所。そういうものが必要な人は、診断の有無に関係なくいます。

「怠けてるだけじゃないか」の声が一番つらい

他人から言われるより、自分の中の声のほうがずっとつらい。

起きられない。片づけられない。約束の時間に間に合わない。メールの返信ができない。たったそれだけのことなのに、毎回ものすごく消耗する。そして消耗している自分に対して、「こんなこともできないのか」と責める声が響く。

動けない。わかっている。でも、頭と体が別の生き物みたいにかみ合わない。夜、布団の中で今日もなにもできなかったと数えて、眠れなくなる。そして翌朝も同じことが繰り返される。

この自己責めのサイクルは、外からは見えません。職場では普通に仕事をしているように見えるかもしれない。SNSだって更新できる。でも家に帰った瞬間、電池が切れたみたいに動けなくなる。そのギャップを知っているのは、本人だけです。

正直に書きます。これは気合いの問題じゃないです。

根性や意志の力でどうにかなるなら、あなたはとっくにどうにかしています。「頑張ればできる」の手前に、生活の仕組みそのものが詰まっているケースがある。そういう視点を持っている人と話すだけで、少し楽になることがあるんです。

感覚のこと、段取りのこと、誰にも言えなかったこと

発達特性グレーゾーンの女性が日常で感じている「詰まり」は、実はかなり具体的です。でもその具体的な中身を、他人にうまく伝えるのが難しい。

たとえば感覚過敏。職場の蛍光灯がつらい。隣の席のキーボードの音で集中が切れる。服のタグがずっと気になって仕事に入れない。スーパーの照明と音楽と人の声が重なると、10分で限界が来る。

こういうことを話すと、「気にしすぎだよ」で終わる。でも気にしすぎなんじゃなくて、感覚のフィルターが人より薄いだけなんです。

あるいは段取りの問題。料理をするとき、「野菜を切る」「お湯を沸かす」「調味料を用意する」を同時進行できない。ひとつずつ順番にやらないとフリーズする。そのことが自分でもどかしくて、結局キッチンに立つこと自体を避けるようになる。

洗濯もそうです。洗うところまではできる。でも干す、取り込む、たたむ、しまう。この一連の流れのどこかで止まる。気づくと洗濯機の中で衣類がしわしわになっている。

「家事ができない」という言葉のうしろには、こういう構造が隠れています。

ここで少し脱線しますが、私がサービスの中で見聞きしてきた限り、こうした「段取りの詰まり」を抱えている方は、自分のことを「だらしない」と形容することが多い。

でも、だらしないのではなくて、脳の情報処理の仕方が少し違うだけなのだと私は思っています。同じ結果にたどり着くのに、別のルートが必要な人がいる。それだけのことなんです。

こうした詰まりの多くは、生活の中の「手順」や「環境」を少し組み替えるだけで動き出すことがあります。気合いで突破するのではなく、「どこで止まっているのか」を見つけて、回り道をつくる。やる順番を変える。道具を変える。ひとつの作業を分割して、間に休憩を挟む。

これは精神論ではなくて、生活設計の話です。

「やさしい人」が欲しかったんじゃない。「現実に動ける人」が必要だった。この感覚に心当たりがあれば、読んでみてください。「聞いてもらう」のその先にある、「一緒に仕組みを見る」ということについて書いた記事です。

友達に話しても、「大丈夫だよ」で終わってしまう理由

友達に相談した経験がある方もいるかもしれません。

「最近なんかうまくいかなくて」と話してみたら、「わかる、私もそういうときあるよ」「考えすぎだよ、大丈夫」と返ってきた。悪気がないのはわかっている。でも、そういうことじゃない、と思った。

この「そういうことじゃない」の正体は、たぶん、共感がほしかったんじゃないということだと思います。

聞いてほしかったのは、「あなたの毎日のどこが詰まっているか」を一緒に見てくれる人の言葉。感情に応答してくれる人ではなくて、生活の中の「ここが引っかかっているんじゃないか」を具体的に見てくれる人。

でもそんな相手、友達の中にはなかなかいません。カウンセリングに行くほどでもないし、病院は「異常なし」だった。この狭間に、ずっと立っている人がいます。

当店に在籍する作業療法士のフレンドは、こうした「生活の詰まり」を見ることを本業にしている人です。病名をつける仕事じゃない。「暮らしの中のどこで止まっているか」を見つけて、「どうすれば回るか」を一緒に考える。それが彼女の専門領域です。

書きながら思ったんですが、「作業療法士」と言っても、多くの方にはなじみのない職業名でしょう。簡単に言えば、「気合い」ではなく「仕組み」から生活を見てくれる専門職。

感覚の偏りや、段取りの苦手さや、環境とのミスマッチを、「性格の問題」ではなく「生活設計の問題」として捉える。症状名ではなくて、「暮らしのどこで詰まっているか」を一緒に見る。そういう視点を持った人がいる、ということだけ覚えておいてください。

あなたが日々感じている詰まりは、怠けでも甘えでもない。ただ、生活の回路がどこかで目詰まりしているだけかもしれません。そしてその目詰まりは、見る角度を変えれば、ほどける余地があるものです。

「話し相手」から始まる、生活の見直し

ここまで読んでくださったあなたに、ひとつ伝えたいことがあります。

当店「ふたりしずかに」は、内向的な女性のためのレンタルフレンドサービスです。

カウンセリングでも、医療でもありません。ただ、医療や福祉の現場経験を持つフレンドが在籍しているので、「話し相手」の時間が、自然と「生活の整理」につながることがあります。

発達特性のグレーゾーンにいる方にとっては、まず「自分の詰まりを言葉にできる場所」が必要なのだと、私はサービスを運営するなかで感じてきました。

うまく言えなくていい。整理できていなくていい。「なんか毎日うまくいかないんです」から始まって構わない。そこから、「具体的にどこが止まっているのか」を一緒に見ていく。その過程で、「あ、ここだったのか」と気づく瞬間が生まれることがあります。

対面で会って話す場合、60分3,000円から。通話でも可能です。

友達と会うように、カフェで話す。それだけのことです。ただ、その「それだけのこと」の中に、あなたの日常を少しだけ動かすきっかけが生まれることがある。

1回で何かが劇的に変わるとは言いません。正直に言えば、合わなかったという方もいる。でも、「初めて自分の詰まりを言葉にできた」と言ってくれた方がいたことも事実です。

人とのやりとりそのものに不安がある方に向けて書いた記事もあります。「雑談が怖い」のは、練習場所がなかっただけかもしれない

発達特性がある方は、人との距離感やコミュニケーションに苦手意識を持っていることも多い。よければそちらも読んでみてください。

あなたの「うまくいかない」には、ほどき方がある

発達特性グレーゾーンの生活は、目に見えにくい。だから、自分でも何が問題なのかわからないまま、ただ「うまくいかない」を積み重ねてしまう。

でも、その「うまくいかない」は、分解すれば具体的な場面に落ちてきます。朝の起き上がり。食事の準備。仕事の段取り。人との距離感。どこかに、仕組みの詰まりがある。

そしてそれは、あなたひとりで抱え続けなくてもいいものです。

「自分の生活のどこが詰まっているのか、誰かと一緒に見てみたい」。そう思ったとき、この記事が少しでも手がかりになれば嬉しいです。

生活全体の「詰まり」について、もう少し広い視点で書いた記事もあります。「動けない日が続いている」と気づいたとき、私が最初にしたこと

次に読む記事:完璧に準備してからじゃなくていい。ぐちゃぐちゃのまま来てくれていい

※「ふたりしずかに」は医療行為・診断・治療・リハビリテーションの提供を目的としたサービスではありません。作業療法士資格を持つフレンドが在籍していますが、サービス内での医療行為は行いません。専門的な医療判断が必要な場合は、医療機関等をご利用ください。

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