「こんなこと聞いてもいいですか?」。問い合わせに添えられたその一文が、ずっと引っかかっていた。
質問すること自体に遠慮を感じているあなたに、公式FAQには書ききれなかった本音を、運営者の言葉で伝えます。
「そんなこと聞いていいんですか?」と言われたこと
この仕事を続けていると、問い合わせフォームやLINEで質問をいただくことがある。料金のこと、予約の仕方、フレンドの選び方。当然のことだ。初めて使うサービスなのだから、聞きたいことがあって当たり前だと私は思っている。
でも、ときどきこんな前置きがつく。
「こんなこと聞いてもいいですか?」「変な質問だったらすみません」。
その一文を見るたびに、手が止まる。質問すること自体に遠慮を感じているのだと気づくからだ。
公式サイトにはよくある質問のページがある。でも、あそこに書ける量には限界がある。短くまとめると、どうしても事務的な響きになってしまう。だから今回は、よくいただく質問に対して、運営者として少しだけ丁寧に、背景も含めて答えてみたい。
「変な質問」なんて一つもなかった
これまでに届いた質問を振り返ると、本当にいろいろある。「フレンドさんは私の話に退屈しませんか?」「途中で沈黙しても大丈夫ですか?」「泣いてしまったらどうしよう」。
どれも変な質問じゃない。むしろ、その質問をしてくれること自体がうれしい。聞かずに不安のまま踏み出せないより、ずっといい。
だから、ここでは「よくある質問」というより「聞きたかったけど聞けなかった質問」にも触れていくつもりでいる。
予約や当日の流れについて
「予約ってどうすればいいですか?」
これは一番多い質問だと思う。そして私が最もちゃんと説明しなければいけない部分でもある。
流れとしてはこうだ。まず、サイトのフレンド一覧から気になる人を選ぶ。対面か通話かを決めて、フレンドのプロフィールページにあるLINEやXから直接日程を相談する。日時が決まったら、サイトの予約フォームから決済をしてもらう。
ここまで書くとすごく事務的に見えるけれど、実際にはもう少し柔らかいやりとりが間にある。「どのフレンドがいいかわからないです」という相談も受ける。そういうときは運営の私に連絡をもらえれば、希望や不安を聞いたうえで提案することもできる。
一つ正直に言うと、この仕組み自体がもう少しわかりやすくならないかと私もずっと考えている。初めての方にとっては「まずLINEで連絡する」というステップ自体が緊張するだろうし。
ある方は「予約フォームにたどり着くまでに3日かかりました」とおっしゃっていた。笑い話のように言ってくれたけど、その3日間のことを想像すると、私は笑えなかった。
「当日、何を話せばいいかわかりません」
この質問もよく届く。答えは簡単で、何も準備しなくていい。
というと無責任に聞こえるかもしれない。でもこれは私の本音だ。「今日なんの話しよう」と思ってくる必要はない。フレンドはそのあたりの空気を読むことに慣れている人たちだ。沈黙があっても、慌てて話題を探したりはしない。
以前、「沈黙が怖くて予約するか迷っています」というメッセージをもらったことがある。私は「沈黙も時間のうちです」と返した。そうしたら「その一言で予約しようと思いました」と言ってくれた。
たぶん、その方が求めていたのは「上手に話せる自分」じゃなくて、「話せなくても大丈夫な場所」だったのだと思う。
安全性や信頼に関すること
「怪しくないですか?と正直思っています」
これは以前、別のコラムでかなり本気で書いた。→そのときの話はこちらに書きました
繰り返しになるけれど、「怪しい」と思うのは正常な感覚だと私は考えている。知らないサービスに対して警戒心を持てることは、むしろ健全なことだ。
ここで私が言えるのは、うちのサービスがどう運営されているかを正直に見せることだけだ。フレンドの採用基準、料金の透明性、禁止事項の明記。当たり前のことを当たり前にやっている、それ以上のことは言えない。
ただ、一つだけ付け加えるとすれば。
「怪しいかも」と思いながらもこのコラムをここまで読んでくれているあなたは、たぶん慎重で繊細な人だ。そういう方にこそ、うちのサービスは合っていると思う。これは私の感覚だけど。
「依存してしまいそうで怖いです」
これもよくいただく質問で、しかも答えるのが難しい。なぜなら、私も完全な答えを持っていないからだ。
依存の不安について正直に書いた回がある。→こちらに詳しく書きました
あのコラムで書いたことは今も変わっていない。「依存しないでください」とは言わない。でも「依存だけが目的になってしまったら、それは私たちの本意ではない」とは思っている。
フレンドとの時間が、あなたの生活の中の「休憩所」みたいなものであってほしい。ずっとそこにいる場所じゃなくて、ちょっと休んで、また自分の道を歩いていける場所。
こういうことを言うと「結局、通い続けてほしいんでしょ?商売だし」と思われるかもしれない。それについても正直に言うと、もちろん経営として利用は続いてほしい。でもそれは「お金を落としてほしい」ではなくて、「必要なときに戻ってこられる場所でありたい」という意味だ。
この二つの気持ちが自分の中にあることを、私はごまかしたくない。
料金やサービスの中身について
「レンタルフレンドの相場って、どれくらいなんですか?」
うちの対面コースは60分6,000円。通話コースは60分4,000円。これに交通費や場所代が加わることがある。
正直なところ、安くはないと思う。「友達に会うのにお金を払うのか」と思うのも自然な反応だ。
ただ、ここで少しだけ私の側の話をさせてもらうと。フレンドたちは「ただ隣にいるだけ」のことに、かなりの準備と集中力を使っている。相手の表情や言葉のトーン、沈黙の種類を感じ取りながら、それに合わせた応答をしている。それは訓練と経験の積み重ねだ。
あと、これは関係ない話かもしれないけれど、カウンセリングの相場が50分で8,000〜12,000円くらいであることを考えると、レンタルフレンドというサービスの立ち位置が少し見えてくるかもしれない。カウンセリングほど専門的ではないけれど、友達に打ち明けるには重すぎる。その「間」にある時間に値段をつけるのは、たぶん難しいことなのだと思う。
「フレンドさんが自分に合わなかったらどうしよう」
これも聞かれる。「合わなかったら嫌だな」と思うのは当然のことだ。
正直に言うと、合わないこともあると思う。人と人の相性だから、100%のマッチングは約束できない。
うちでは、フレンドのプロフィールをかなり丁寧に載せるようにしている。趣味や性格だけでなく、どんな雰囲気の人なのかが伝わるように。それでも「文章と実際に会った印象が違った」ということは起きうる。
そのときに私が大事にしたいのは、「合わなかった」と言ってもらえる関係性だ。「せっかく予約したんだから我慢しよう」じゃなくて、「次は別の人を試してみたい」と言えること。そういう声を遠慮なく伝えてほしい。
ある方が「一人目のフレンドは少し違ったけど、二人目でぴったりの人に出会えた」と言ってくれたことがある。その「一人目が違った」を正直に伝えてくれたことが、私にはありがたかった。
まだ答えが出ていない質問
最後に一つ、私がまだうまく答えられていない質問がある。
「レンタルフレンドって、結局なんなんですか?」
友達でもない。カウンセラーでもない。家族でもない。じゃあ何なのか。
このコラムを47話まで書いてきて、私なりに見えてきたものはある。でも、一言でまとまる答えはまだ見つかっていない。
ある利用者の方が「名前のつかない関係ですね」と言ったことがある。その言葉が、今のところ一番しっくりきている。
名前がつかないから、説明しにくい。説明しにくいから、怪しく見える。でも、名前がつかないからこそ自由な関係でいられるのかもしれない。友達だったら気を遣う。カウンセラーだったら構える。その「間」にあるもの。
私はこの「名前のつかない関係」をこれからも続けていく。そしてこの問いには、たぶんずっと答え続けることになると思う。
よくある質問ページには書ききれなかったことを、少しは言葉にできただろうか。もしまだ聞きたいことがあったら、遠慮なく問い合わせてほしい。「こんなこと聞いていいのかな」は、全部聞いていいことだから。

